東野圭吾『片想い』結末の真相とは?真犯人とラストの意味を徹底考察
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物語の口火を切るのは、帝都大学アメリカンフットボール部でクォーターバックを務めていた西脇哲朗と、かつてのチームメイトたちによる年1回の同窓会です。大手スポーツメーカーに勤め、同じく元マネージャーの理沙子と結婚したものの夫婦仲が冷え切っていた哲朗は、帰り道に不審な風貌の人物と遭遇します。
無精髭を生やし、短髪に男物の服を着たその人物の正体は、かつて部員全員のマドンナ的存在だった女子マネージャー・日浦美月でした。動揺する哲朗に対し、美月は低く太い声で驚くべき事実を淡々と語り始めます。「私は人を殺した」「私は性同一性障害(トランスジェンダー男性)で、今は男として生きている」――。
美月が明かした事件の経緯は凄惨でした。男として生活費を稼ぐため「クラブみかど」のバーテンダーとして働いていた美月は、同僚ホステスの佐伯香里が戸倉明雄という悪質な客につきまとわれ、暴行を受けそうになっている現場を目撃。香里を助けようともみ合ううちに、戸倉の首を絞めて窒息死させてしまったというのです。
部室という密室で汗を流し、青春を共有したかつての仲間を警察に突き出すことなどできない。哲朗と理沙子、そして元部員の早川平太や須貝正彦らは、美月を守るために立ち上がります。遺体の発見を遅らせ、現場の証拠を隠蔽し、美月を安全な場所へ逃亡させるための危険な計画が動き出しました。しかし、警察の捜査が進むにつれ、美月の供述や周囲の行動に不可解な綻びが生じ始めます。