ゆで卵は1日何個が正解?「1日1個の嘘」の真相と目的別摂取量ガイド

ゆで卵は1日何個が正解?「1日1個の嘘」の真相と目的別摂取量ガイドの具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

「卵を食べ過ぎるとコレステロール値が跳ね上がる」という認識は、昭和から平成にかけて広く浸透した健康神話のひとつです。この説の発端は、1913年にロシアの病理学者ニコライ・アニチコフが行った実験にあります。草食動物であるウサギに大量のコレステロール(卵黄など)を摂取させたところ、動脈硬化を発症したという結果がセンセーショナルに報じられたことが原因でした。しかし、本来肉や卵を食べない草食動物と、高度な脂質代謝機構を備えたヒトとでは代謝システムが根本から異なります。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」においても、2015年版以降、食事からのコレステロール摂取上限値(目標量)は完全に撤廃されています。国内外の多数の大規模疫学調査において、「健康な成人が卵を1日複数個摂取しても、血中総コレステロールや心血管疾患のリスク上昇とは有意な相関が認められない」という科学的事実が確定したためです。

人体の血中コレステロールのうち、食事由来のものは全体のわずか20〜30%程度に過ぎず、残る70〜80%は肝臓をはじめとする体内で合成されています。さらに人間の体内には恒常性(ホメオスタシス)が備わっており、食事から多くのコレステロールを取り入れた際は肝臓での合成量が抑制され、摂取量が少ないときには体内での合成量が増加するよう精緻にフィードバック調整が行われます。したがって、一般的な健康状態であれば、ゆで卵を1日数個食べたからといって直ちに数値が危険水域に達する心配はありません。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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