鉄筋のかぶり厚さとは?基準値違反のリスクと現場の対策を徹底解明
鉄筋のかぶり厚さとは?基準値違反のリスクと現場の対策を徹底解明について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。
木造戸建て住宅や集合住宅の基礎工事において、配筋検査時に最も指摘を受けやすいのが基礎立ち上がり かぶり厚さ 不足 理由です。建物の不同沈下を防ぎ、地震力を上部構造から地盤へ伝える重要部位でありながら、なぜこの箇所でミスが多発するのでしょうか。
最大の要因は、立ち上がり幅(一般的に150mm程度)という狭小な空間の中で、型枠と鉄筋のクリアランスをミリ単位で維持することの難しさにあります。住宅基礎の外周部立ち上がりは、外側が「土に接する部分(最小40mm、JASS5仕様では50mm)」、内側が「土に接しない屋内側(最小30mm、JASS5仕様では40mm)」と非対称の規定になっています。芯出しがわずか10mm狂っただけで、外周側のかぶり厚さは即座に法定基準を割り込みます。
もう一つの決定的な要因が、部材の保持具であるスペーサーの配置不備です。配筋工事標準仕様書が規定するスペーサーブロック 設置間隔 基準では、「縦・横ともおおむね1m以内の間隔で、千鳥(互い違い)に均等配置する」とされています。しかし、打設前の慌ただしい現場では、作業員の足が引っかかってスペーサーが脱落したり、コンクリート打設時の生コンの強烈な流動圧によって鉄筋が押し流され、型枠側に寄りかかってしまう事例が後を絶ちません。
さらに使用するスペーサーの素材選定も明暗を分けます。安易に安価なプラスチック製(ドーナツ型)スペーサーを多用すると、コンクリートとの熱膨張率の違いから界面に微細な隙間が生じ、そこから雨水が浸入する弱点になり得ます。高耐久住宅の現場では、コンクリートと同等以上の強度と密着性を持つセメント系(モルタル製・コンクリート製)のブロック型スペーサーの採用が必須となっています。