近代五輪はなぜ復活したのか?誕生の真相と激動の歴史を徹底解剖

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古代ギリシャで紀元前776年から始まったとされる古代オリンピックは、最高神ゼウスに捧げる宗教儀礼として約1200年間続きました。しかし、西暦393年の第293回大会を最後に、キリスト教を国教としたローマ帝国のテオドシウス1世による異教禁止令によって終焉を迎えます。そこから約1500年もの間、オリンピックは歴史の闇に埋もれていました。

この眠れる祭典を再び呼び覚ましたのが、フランスの貴族であり教育学者であったピエール・ド・クーベルタン男爵です。クーベルタンが五輪復興を思い立った背景には、単なるスポーツ愛好にとどまらない、当時の社会情勢に対する深い問題意識がありました。

1870年の普仏戦争で祖国フランスが敗北した際、クーベルタンはその原因を「青少年の肉体と精神の脆弱さ」に見出しました。イギリス留学でパブリックスクールのスポーツ教育に衝撃を受けた彼は、規律やフェアプレー精神を育む手段としてスポーツを位置づけます。さらに、自著や演説記録においてクーベルタンは、「若者が国境を越えて正々堂々と競い合い、互いを理解し合えば、悲惨な戦争を防ぐことができる」という平和への強い信念を語っています。

クーベルタンは古代オリンピックの五種競技(ペンタスロン)に着想を得て、水泳、フェンシング、馬術、射撃、ランニングで構成される「近代五種」を自ら考案し、「スポーツの華」と称えるなど、文武両道の理想を追求しました。1894年、パリのソルボンヌ大学で開催された国際スポーツ会議において、クーベルタンの熱意は実を結び、国際オリンピック委員会(IOC)が正式に設立。近代五輪の復活が全会一致で採択されたのです。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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