なぜすぐ忘れる?短期記憶の仕組みと脳の限界を突破する最新科学
なぜすぐ忘れる?短期記憶の仕組みと脳の限界を突破する最新科学の背景について、専門知識を取りまとめてご紹介します。
外部から五感を通じて入ってきた情報は、脳の側頭葉の内側にある「海馬(かいば)」と呼ばれる器官に集約されます。記憶のメカニズムにおいて、海馬はまさに情報の交通整理を行う司令塔です。
海馬は入ってきた短期記憶の情報を精査し、「生存に不可欠な情報か」「何度も繰り返し使われている重要な情報か」を厳格に判定します。不要とみなされた情報はそのまま消去され、重要と判断された情報だけが「大脳皮質」という広大な記憶の保管庫へ送られ、強固な長期記憶として定着します。
この海馬による情報整理と記憶の固定化が最も活発に行われるのが「睡眠中」です。特に深いノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルの中で記憶の統合が行われるため、慢性的な睡眠不足に陥ると海馬の機能が低下し、短期記憶の定着率が著しく落ちてしまいます。