唐辛子はなぜ辛い?種ではなくワタが原因!消火法と世界基準ランキング
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多くの家庭や厨房で「種を取り除けば辛さが和らぐ」と教えられてきました。しかし、植物解剖学および農学の研究データが示す事実は異なります。唐辛子の辛味主成分であるカプサイシンを合成・分泌しているのは、種子ではなく「胎座(たいざ)」と呼ばれる白く盛り上がったワタの部分と、そこから伸びる隔壁(内果皮)です。
断面を観察すると、中心部に種がびっしりと張り付いている白いスポンジ状の組織が見えます。この胎座の表皮細胞にある分泌小胞でカプサイシンが集中的に生成され、果実全体へと浸透していきます。種自体にはカプサイシンを自ら生み出す器官はほとんど存在しません。種が辛いと感じられるのは、胎座と密着しているため表面に高濃度のカプサイシンが付着しているに過ぎないのです。
したがって、調理時に辛味を大幅にカットしたい場合は、種をパラパラと落とすだけでは不十分です。包丁の先やスプーンを使って、内側の白いワタ(胎座)を根こそぎ削ぎ落とすことが決定的なポイントとなります。
そもそも唐辛子はなぜ、これほど攻撃的な辛味成分を蓄えるようになったのでしょうか。植物生態学の観察によると、これは哺乳類に果実を食べられないための巧妙な生存戦略です。すり潰すように咀嚼して種子を破壊してしまう哺乳類を遠ざける一方、カプサイシンを感じる受容体を持たず種を噛み砕かずに遠くへ運んでくれる鳥類には果実を食べてもらうよう、進化の過程でワタに辛味を凝縮させたのです。