更級日記「源氏の五十余巻」解説!少女が后の位より熱狂した理由とは

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『源氏物語』を読破した菅原孝標女は、単にストーリーを楽しんだだけではありませんでした。作中に登場するヒロインたちに強烈な自己投影を始めます。

彼女が特に憧れたのは、はかなく可憐な「夕顔」や、二人の貴公子(匂宮と薫)の間で揺れ動き出家を選んだ「浮舟」でした。自らも光源氏のような「光る源氏の夕顔の巻のやうならむ人(光源氏のように美しく素晴らしい貴公子)」が、自分のような田舎育ちの女を人知れず隠れ家に通わせて愛してくれるはずだと、本気で信じ込むようになります。

この強い没頭体験は、彼女のその後の人生観を大きく決定づけました。後年、彼女は現実の結婚生活の苦難や夫との死別を経験した際、「若い頃に仏道修行を怠り、物語の世界ばかりに現を抜かしていたから不幸になったのだ」と深い悔恨の念を綴ることになります。しかし、そうした晩年の述懐があるからこそ、「源氏の五十余巻」で見せた純粋無垢な熱狂の輝きが際立つのです。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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