バドミントンのバックハンドが飛ばない罠を解剖!奥まで飛ぶ脱力と回外術

バドミントンのバックハンドが飛ばない罠を解剖!奥まで飛ぶ脱力と回外術の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

全国の社会人サークルやジュニア強豪校の練習現場を取材すると、一般的な指導現場と愛好家の認識の間には根深いギャップが存在します。動画サイトやSNS上では「親指で力強く押せ」「手首のスナップを鍛えろ」という簡易的なアドバイスが氾濫していますが、この言葉を文字通り受け取ったプレーヤーが、腱鞘炎やテニス肘(外側上顆炎)を発症して戦線離脱するケースが後を絶ちません。

取材に応じた日本スポーツ協会公認バドミントンコーチは次のように現場のリアルを語ります。

「手首を無理に使って飛ばそうとする選手ほど、グリップを親指全体でガチガチに押し付け、前腕の筋肉をガチガチに固めてしまっています。これでは回外運動が完全にロックされ、ラケットヘッドが走りません。『親指で押す』のではなく、前腕の旋回によって『ラケットが勝手に親指に吸い付いてくる』のが運動生理学的に正しい感覚です」

また、ネット上で見落とされがちなのが「上半身の向き」に関する誤解です。「バックハンドは背中を相手に完全に向けろ」という古い指導法が今なお語られますが、背中を完全に向けすぎると視界が遮られ、シャトルとの距離感が狂いやすくなります。2026年現在のモダンバドミントンでは、相手コートに対して完全な背中ではなく、上半身を約100〜110度程度ひねる半身(斜め後ろ)のポジションを維持し、利き目(多くの場合は右目)の視界からシャトルを完全に消さないフォームが主流となっています。

【プロの結論】おすすめできる練習法・慎重になるべき人の判断基準

バックハンドの習得において、個人の筋力や関節の柔軟性を無視した練習は故障のリスクを伴います。以下の基準を参考に、自身の身体特性に応じたアプローチを選択することが上達への近道です。

前腕回外主導のスイングが向いている人: 手首や前腕の柔軟性が高く、脱力感覚を掴むのが得意なプレーヤー。細身で筋力に頼らない女性選手やジュニア世代は、この骨格連動を極めることで、大柄な男性選手顔負けの鋭いバックハンドを放つことが可能です。

自己流の反復練習に慎重になるべき人: 過去に手首の腱鞘炎や肘の痛みを経験しているプレーヤー。このような選手がいきなりラケットを振る反復練習を行うと、患部に致命的な負荷がかかります。まずはラケットを持たず、うちわや短縮トレーニングラケットを用いた低負荷の脱力回外ドリルから段階的に再構築する必要があります。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest