なぜ遊撃手と呼ぶ?語源の真相と歴代最強ショートに見る勝敗の分水嶺
なぜ遊撃手と呼ぶ?語源の真相と歴代最強ショートに見る勝敗の分水嶺とはどのようなものなのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
遊撃手の守備位置は、右打者の引っ張った強烈なゴロやライナーが最も集中する二塁と三塁の広大な間隙です。しかし、定位置で打球を待つだけでは遊撃手の役割の半分も果たせません。センター前へ抜けそうなゴロをダイビングキャッチする前方への突進力、三遊間の深い位置から一塁へ矢のようなストライク送球を届ける肩の強さ、さらには外野からの長打を中継するカットマンとしての正確なポジショニングなど、内野守備における司令塔としての判断力が毎球求められます。
とりわけ試合の流れを決定づけるのが、二塁手と息を合わせる「二遊間コンビ」の連携プレーです。併殺(ゲッツー)を奪う際、二塁ベースカバーに入った遊撃手は、走者の激しいスライディングを視界の隅で交わしながら、捕球から送球までコンマ数秒の淀みもないステップを踏まなければなりません。かつて中日ドラゴンズで一時代を築いた荒木雅博と井端弘和の「アライバコンビ」や、ヤクルト黄金期を支えた宮本慎也と土橋勝征の職人芸に見られたように、互いの捕球体勢を見ただけで送球位置を数センチ単位で修正するあうんの呼吸は、徹底的な反復練習と配球の読みによって構築されます。
守備範囲の広さは当然として、投手の球種やカウント、打者のスイング傾向を瞬時に頭へインプットし、投球ごとに一歩、二歩と守備位置を微修正する戦術眼こそが、名手と呼ばれる遊撃手の共通項です。