三億円事件の警察官の息子はなぜ急死したのか?少年Sの謎と隠蔽疑惑
三億円事件の警察官の息子はなぜ急死したのか?少年Sの謎と隠蔽疑惑の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
事件からわずか5日後の1968年12月15日夜、少年Sは立川市内の自宅自室で倒れているところを父親によって発見され、搬送先で死亡が確認されました。死因は青酸カリによる服毒死。捜査本部は遺書の存在や家庭内の動揺を理由に「将来を悲観した自殺」として幕引きを図りましたが、この急転直下の決着こそが、半世紀に及ぶ疑惑の火種となりました。
当時から報道関係者や現場捜査員の間で囁かれていたのが、いわゆる「警察組織による隠蔽説」と「共犯者による他殺説」です。なぜ死に至ったのか、そこには主に3つの仮説が存在します。
第1に、警察一家の体面を守るための自決・または父親による関与説です。もし現役白バイ隊員の息子が前代未聞の国家的不祥事の主犯であった場合、警察庁・警視庁の屋台骨が揺らぐ大スキャンダルに発展することは明白でした。父親が息子の犯行を察知し、警察官としての矜持や世間体から毒を渡したのではないかという憶測が週刊誌等で飛び交いました。しかし、父親自身も深く憔悴しており、明確な物証は何一つ出ていません。
第2に、真犯人や立川グループの仲間による「口封じ(他殺説)」です。三億円事件が単独犯ではなく複数人の共謀であった場合、実行役や調達役を担った少年Sが警察にマークされたことを知った黒幕が、発覚を恐れて先手を打ち、青酸カリを偽って飲ませたという見立てです。少年Sの入手経路が不透明であった青酸カリの出所については、立川基地周辺のルートなど様々な説が浮上したものの、特定には至りませんでした。
第3に、過度の心理的圧迫による突発的自殺説です。自分が犯人であるか否かにかかわらず、警察組織から徹底的にマークされ、父親の同僚たちから追及の手が伸びる恐怖と絶望に耐えかねて自ら命を絶ったという見方です。真相が藪の中へと消えたことで、彼の急死は事件全体に拭いがたい疑惑の影を落とすことになりました。