甲府・竜華池の深層|釣り禁止と心霊の噂、水抜き後の現在を追う

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オカルティックな視線に晒されがちな竜華池ですが、本来の存在意義は地域農業の生命線にあります。竜華池の歴史と由来を紐解くと、この地が開拓された時代からの切実な水への渇望が見えてきます。

甲府盆地東部の傾斜地は水はけが良すぎる扇状地地形が多く、干ばつが起きれば即座に作物の枯死に直結する過酷な土地でした。江戸時代から近代にかけて、雨水や山裾の湧水を貯留して下流の田畑を潤すために築造されたのが、このため池群です。竜華池は幾度かの拡張と改修を経て、地域の農業を底支えする重要インフラとしての地位を確立しました。

農林水産省が主導する「防災重点農業用ため池」の再総点検の流れを受け、近年実施されたのが竜華池の水抜きと生態系の調査、そして堤体の耐震補強工事です。水抜き(いわゆる「かいぼり」)が行われた際、底泥からは長年堆積したゴミとともに、多数の外来魚(ブラックバスやブルーギル)が確認・駆除されました。池の底を天日干しにする作業を通じてヘドロの分解が進み、水質改善とともに貯水機能の安全性が飛躍的に向上しました。かつての「濁った釣り場」から、治水と防災を担う「健全な農業用水池」へと、その輪郭が整え直されたのです。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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