存じ上げるは謙譲語なのに相手に使うと失礼な真相

存じ上げるは謙譲語なのに相手に使うと失礼な真相の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。

日常業務で混同しやすい「存じる」「存じ上げる」「ご存知」について、主語・対象・敬語区分・適切なビジネスシーンを比較表に整理しました。

表現敬語分類動作の主体(主語)知る対象典型的な用例・現場での評価存じ上げる謙譲語I自分・自社の身内人(相手側・第三者)「会長のお名前はかねてより存じ上げております」。人に限定して使うのが鉄則。存じる謙譲語II(丁重語)自分・自社の身内物・事柄・情報・思考「その仕様については存じております」「幸甚に存じます」。「思う・知る」の丁重表現。ご存知尊敬語相手(上司・取引先)人・物・事柄全般「本件の背景はご存知でしょうか」。相手が把握しているかを問う唯一の正解ルート。

人以外に「存じ上げる」を使う誤用の真相

上の表で注目すべきは、「知る対象」の制限です。「上げる」という補助動詞は本来、敬意の対象へ向けて自分の行為を差し上げるニュアンスを持ちます。したがって、敬意を向ける実体が存在しない「無機物や抽象的な出来事(企業名、製品、ニュース、歴史的事実など)」に対して「存じ上げる」を使うのは日本語として不自然です。

例えば、「御社の新製品の評判は存じ上げております」という表現は文法的に過剰であり、スマートではありません。対象が物や事柄である場合は、「その製品の評判は存じております」または「伺っております」とするのが正しい用法です。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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