社員の不正で会社も前科?両罰規定の適用条件と免責の壁を徹底解説

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多くの経営者が抱く疑問が、「従業員が勝手にやった犯罪行為に対して、なぜ会社が前科を背負わなければならないのか」という点です。この問いに対する法的な回答は、最高裁判所の確立した判例の中にあります。

日本の刑事司法におけるリーディングケース(昭和40年3月26日最高裁大法廷判決など)では、従業員が業務に関して違反行為を行った場合、「企業側には当該違反を防止するための選任・監督を怠った過失が存在する」と推定されます。いわゆる「過失推定説」の立場です。

この法理が意味する現実は極めて過酷です。検察側が「会社に監督過失があったこと」を一つひとつ立証する必要はなく、従業員の不正行為が立証された時点で、法人の有罪が事実上推定されます。会社が処罰を免れるためには、企業側が自ら「違反行為を防止するために相当の注意および監督を尽くしていたこと」を裁判官に納得させなければなりません。これがいわゆる両罰規定の免責要件です。

実務上、この立証のハードルは「エベレストの登頂」に例えられるほど困難を極めます。単に「社内規定に禁止事項を明記していた」「入社時に誓約書を取っていた」という程度では、裁判所は相当の注意を尽くしたとは到底認めません。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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