シャフリングベビーは発達障害?いつ歩く?医師が説く原因と受診目安
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検索エンジンや質問サイトで「シャフリングベビー」と入力すると、必ず上位に関連語句として現れるのが「自閉症」や「発達障害」という単語です。我が子の移動スタイルに異変を感じた保護者が最も恐怖を覚えるポイントですが、結論から言えば、シャフリングベビーであること自体が発達障害や自閉症の直接的な証拠となるわけではありません。
小児神経学および発達行動小児科の知見では、シャフリングベビーの主たる原因として以下の要素が複合的に関係していると考えられています。
第1の要因は、良性筋緊張低下(Benign Congenital Hypotonia)や関節の柔軟性です。生まれつき筋肉の張り(トーン)がわずかに低く、関節が柔らかい赤ちゃんは、うつ伏せで上半身を支えたり四つん這い姿勢を保持するのに大きな筋力を要します。筋緊張がやや低めな児にとって、すでにお座りで安定した骨盤の土台を使い、腕の力と座骨で滑るように進む「いざり這い」は、極めて合理的でエネルギー消費の少ない移動手段なのです。
第2の要因は、感覚特性(足底の触覚過敏)です。足の裏が地面に触れる刺激を不快に感じたり、皮膚感覚の閾値が敏感だったりすると、足裏を床につけることを拒み、結果としてつかまり立ちや歩行の開始が後ろにズレ込みます。この過敏性は月齢が進むにつれて神経系が成熟し、自然と鈍麻・適応していきます。
第3に、遺伝的・家族性の素因が挙げられます。こそだてハックや小児科臨床の取材資料にも見られるように、両親のどちらかや兄弟姉妹に「そういえば赤ちゃんの頃、ハイハイせずにお尻で滑っていた」「歩き始めが1歳8か月と遅かった」というエピソードを持つケースが少なくありません。家族性の体質として受け継がれる運動発達の個性と言えます。
では、なぜ自閉スペクトラム症(ASD)と混同されやすいのでしょうか。それは、一部の自閉スペクトラム症児に見られる「触覚過敏」や「感覚統合の未熟さ」、あるいは全般的な発達遅滞の一環としてシャフリングが見られる事例が稀にあるためです。しかし、視線がしっかりと合う、名前を呼ぶと振り向く、あやされると声を出して笑う、指差しなどで興味を共有できるといった情緒的・社会的コミュニケーションが成立していれば、単なる粗大運動のバリエーションと判断するのが医学的な定説です。