キャブ車とは何か?仕組みと消えた理由・Fi車との違いを徹底解剖
キャブ車とは何か?仕組みと消えた理由・Fi車との違いを徹底解剖の重要なポイントについて、分かりやすい解説を詳しくお届けします。
FI車しか運転したことがない世代が初めてキャブ車に触れた際、最も高い確率で立ち往生するのがエンジンの始動作業です。セルボタンを一瞬押せばどんな状況でもエンジンがかかる現代車と異なり、キャブ車の始動方法には車両の状態を手のひらで読み取る独自の「作法」が存在します。
その中心となる装備が、ハンドル周辺やキャブレター本体脇に備え付けられているチョークレバーです。チョークレバーの使い方を理解するには、その言葉の意味(Choke=窒息させる、絞る)を知るのが近道です。チョークレバーを引くと、キャブレターの吸気通路が塞がれて空気が制限されるか、あるいは専用のバイパス通路からガソリンが多く送り出され、意図的に「ガソリンが濃い混合気」を作り出します。冷え切ったエンジン内部ではガソリンが気化しにくくシリンダー壁面に液体のまま付着してしまうため、火花を飛ばして着火させるには普段よりも濃い混合気が不可欠になるからです。
特に気温が氷点下近くまで下がる朝など、多くのライダーを手こずらせる冬場のエンジン始動のコツは以下の手順を徹底することにあります。
- ステップ1:キーをONにする前の空キック(キック始動車の場合)
イグニッションをOFFにした状態でキックペダルを数回踏み込み、シリンダー内に新鮮な混合気を呼び込みつつ、冷えて固まったエンジンオイルをほぐします。 - ステップ2:チョークを全開に引き、スロットルには触れない
チョークレバーを目一杯引きます。ここで絶対にスロットルを大きく開けてはいけません。スロットルを開けるとベンチュリの負圧が逃げ、チョークが吸い上げようとしているガソリンの量が減ってしまいます。 - ステップ3:セルを回す(または本キック)
スロットルは全閉、もしくは数ミリだけわずかに遊びを取る程度でセルボタンを押します。「ボボボッ」と爆発が起きたら、慌てずに回転が落ち着くのを待ちます。 - ステップ4:回転の上昇に合わせてチョークを戻す
始動直後は回転数が2,000〜3,000回転近くまで跳ね上がります。そのまま放置するとプラグが煤けたりエンジンに負荷がかかるため、エンジンの息継ぎを聞きながらチョークレバーを半分、そして全戻しへと段階的に戻します。
SNSや知恵袋などのコミュニティでは「冬場にエンジンがかからず、セルを回しすぎてバッテリーを上げた」「焦ってスロットルを何度も煽った結果、生ガスで点火プラグが濡れて完全に沈黙した(カブった)」という悲鳴が毎年冬になると溢れかえります。もしプラグをカブらせてしまった場合は、チョークを戻してスロットルを全開に固定した状態で長めのクランキングを行い、シリンダー内に大量の空気を送り込んで生ガスを吹き飛ばすか、プラグレンチでプラグを外して真鍮ブラシで清掃・乾燥させるのが鉄則の現場対処法です。