親子の縁を切ることは法的に可能か?戸籍・遺産・扶養義務の真相
親子の縁を切ることは法的に可能か?戸籍・遺産・扶養義務の真相の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
法的な親子関係をめぐっては、願望が先行した危険なデマが流布しています。事実に基づかない誤解を正しておく必要があります。
第一の誤解は、「親子の縁を切る誓約書に公正証書を作成すれば完璧」という思い込みです。公証役場は私法上の合意を公文化する場であり、民法上の直系血族関係や法定相続権を破棄するような契約書は、公序良俗違反(民法90条)に抵触するため公証人は作成を拒絶します。高額な手数料を払って民間文書を交わしても、法的拘束力はありません。
第二の誤解は、「親の借金は絶縁状を出していれば自動的にチャラになる」という誤解です。生前において親の連帯保証人にサインしていない限り、親の借金を肩代わりする法的義務は最初から1円もありません。しかし、親が死亡した瞬間、借金は遺産として自動的に相続されます。事前の絶縁状の有無に関わらず、親の死後に必ず家庭裁判所で相続放棄の手続きを単独で完了させなければならないという手続きの順序を見落としてはなりません。
第三の誤解は、「親の遺体引き取りを拒否すると罪に問われる」という恐れです。自治体からの遺体引き取り要請は法的な強制力を持ちません。「過去の経緯から一切の関与を拒絶します」と行政機関に意思表示を行えば、行旅死亡人等として自治体側で無縁仏として火葬・埋葬処理が進められます。葬儀代の支払いや遺骨の引き取りを強制される法規定は存在しません。