犬の保冷剤は危険?エチレングリコール中毒の致死量と安全対策

犬の保冷剤は危険?エチレングリコール中毒の致死量と安全対策について分かりやすく解説いたします。最新の情報をご確認ください。

エチレングリコールを含有する保冷剤を犬が摂取した場合、体内で代謝される過程でグリコール酸やシュウ酸といった極めて有害な代謝産物へと変化します。これが腎臓の尿細管細胞を急激に破壊し、重篤な不凍液中毒症状を引き起こします。

犬におけるエチレングリコールの最小致死量は体重1kgあたり約4.4〜6.6ml(純液換算)とされています。体重5kgの小型犬であれば、わずか大さじ1杯強(約20〜30ml)の原液を口にしただけで命を落とす計算です。症状は摂取後の時間経過に伴い、以下のように進行します。

  • 第1期(摂取後30分〜12時間):中枢神経症状が現れます。足元がふらつく、まっすぐ歩けない(運動失調)、異常な多飲多尿、嘔吐、よだれの過剰分泌など、一見すると「酒に酔ったような状態」に陥ります。
  • 第2期(摂取後12〜24時間):心肺機能の悪化が見られます。呼吸促迫、頻脈、肺水腫などが生じます。この段階で一時的に症状が落ち着いたように見える「見かけ上の寛解期」が存在するため、飼い主が回復したと誤認して手遅れになるケースが多発しています。
  • 第3期(摂取後24〜72時間):急性腎不全を発症します。尿が全く作られなくなる無尿症、激しい脱水、低体温、痙攣発作、昏睡状態に陥り、不可逆的な腎組織壊死によって死に至ります。

摂取から治療開始までの時間が3時間以内であれば、解毒剤(ホメピゾールや高濃度エタノール)の投与によって代謝をブロックし救命できる確率が残されています。しかし、発症から半日以上経過して腎不全が進行した後の死亡率は著しく跳ね上がります。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest