肺水腫とは?突然の呼吸困難や泡状の痰が示す危険と救命の初期症状
肺水腫とは?突然の呼吸困難や泡状の痰が示す危険と救命の初期症状について見逃せない ポイントを厳選して解説いたします。
私たちの肺の最深部には、「肺胞」と呼ばれる無数の小さな空気の袋が存在し、その周りを取り囲む毛細血管との間で酸素と二酸化炭素のガス交換を行っています。通常、毛細血管の中を通る血液と肺胞の間には適度な圧力バランスが保たれており、水分が肺胞内へ漏れ出すことはありません。
しかし、何らかの異常によって毛細血管内の圧力が異常に高まるか、あるいは血管の壁そのものが障害されて透過性が亢進すると、血液の液体成分(血漿)が血管外へ漏れ出します。この水分が肺の組織(間質)を満たし、さらに肺胞の内部にまで溢れ返ってしまった状態こそが「肺水腫」の正体です。
肺胞が水で満たされると、いくら激しく呼吸をしても空気中の酸素が血液中へ移行できなくなります。患者の手記や救急救命の臨床記録では「まるで陸の上で溺れているような激しい窒息感」と形容されるほどの苦痛を伴い、血中酸素飽和度(SpO2)は急激に低下します。発症は極めて急速に進むケースが多く、一刻を争う救命処置が求められます。