キルギス人と日本人はなぜ激似?Dnaの真相と兄弟伝説のリアル
キルギス人と日本人はなぜ激似?Dnaの真相と兄弟伝説のリアルについての疑問解決ガイドをご紹介します。
外見が瓜二つであるならば、科学的な「血のつながり」はどこまで証明されているのでしょうか。近年の分子人類学および古DNA解析の進展によって、かつてオカルト的に語られていた「同根説」の輪郭が客観的な数値データで浮かび上がってきました。
結論から言えば、日本人とキルギス人は父系遺伝子(Y染色体)の観点では「直系の兄弟」ではありません。日本人男性の約35〜40%を占める縄文系固有のマーカー「ハプログループD1a2(旧D2)」は、中央アジアのキルギス人集団からは実質的に検出されません。キルギス人のY染色体プールで最も優勢なのは、インド・ヨーロッパ語族系の拡散に関連する「ハプログループR1a」(約50〜60%)であり、これに北方モンゴロイド系の「C2(旧C3)」が約20%前後続きます。
それにもかかわらず、なぜこれほど顔立ちが重なり合うのでしょうか。鍵を握るのは母系を辿るミトコンドリアDNAと、個人の全体像を形作る常染色体(オートソーム)のゲノム構成です。キルギス人は歴史的に、天山山脈一帯で東ユーラシアのモンゴロイド集団と西ユーラシアのコーカソイド集団が幾重にも交雑を繰り返してきた複合集団です。その過程で、まぶたの脂肪層(蒙古襞)や平坦な中顔面、黒髪・直毛といった東ユーラシア古層の強力な表現型(フェノタイプ)の遺伝子が現在まで頑健に保たれた結果、日本人の形態的特徴と驚異的な一致を見せることになりました。