南極と北極どっちが寒い?30度差の真相と氷の大陸が冷える決定的な理由
南極と北極どっちが寒い?30度差の真相と氷の大陸が冷える決定的な理由の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
気象観測データから客観的な事実を確認すると、寒さの勝負は南極の圧倒的な記録で決着がついています。年間平均気温の比較において、北極の年間平均気温が氷上で約マイナス15℃〜マイナス20℃であるのに対し、南極大陸の内陸部では約マイナス50℃〜マイナス60℃まで冷え込みます。
公認されている南極の最低気温の世界記録は、1983年7月21日にロシアのボストーク基地で観測されたマイナス89.2℃です。さらにNASAの地球観測衛星による地表面温度データ解析では、南極東部高地の窪地においてマイナス98℃前後という極限の数値すら記録されています。一方で、世界気象機関(WMO)が認定する北極の最低気温(北半球の最低気温記録)は、グリーンランド氷床上の自動気象観測所で記録されたマイナス69.6℃(1991年12月22日観測、2026年公認記録)です。シベリアの内陸居住地であるオイミャコンやベルホヤンスクでもマイナス67.8℃を記録していますが、南極の極限値には遠く及びません。
日本の気象庁と国立極地研究所が運営する昭和基地の気象観測データを見ると、沿岸部の東オングル島にある昭和基地は海洋の影響を受けるため年平均気温は約マイナス10.5℃と比較的穏やかです。しかし、内陸へ約1,000km進んだ標高3,810mに位置する「ドームふじ基地」では、年間平均気温がマイナス54.4℃、観測史上最低気温はマイナス79.7℃に達します。この標高と地形の差こそが、極地内部の冷え込みを左右する鍵です。