氷を無性に食べる病気の正体|氷食症の危険な兆候と最新の改善法
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氷食症を引き起こす背景には、大きく分けて「生化学的要因」と「神経心理学的要因」の2つのルートが存在します。
第1の要因は、鉄欠乏性貧血の症状とフェリチン不足による氷食症の発症です。人間の体内には、血液中を循環するヘモグロビン鉄のほかに、肝臓や脾臓に蓄えられる「貯蔵鉄(フェリチン)」が存在します。健康診断の一般的な血液検査でヘモグロビン濃度が基準値内であっても、フェリチンが底をついている「潜在性鉄欠乏(かくれ貧血)」の状態に陥っている女性は非常に多く見られます。フェリチンが枯渇すると、中枢神経系におけるドーパミン代謝が変調をきたし、氷を噛む行動への執着が加速します。
特に妊娠中に氷を食べる理由として、胎児の急激な成長と胎盤形成に伴い、母体の鉄分需要が平時の約2倍以上に跳ね上がることが挙げられます。母体のフェリチンが一気に消費され、妊娠中期から後期にかけて氷食症を発症する妊婦が急増する実態は産科現場で日常的に報告されています。
第2の要因は、自律神経の乱れと氷をバリバリ食べる心理の連動です。極度の精神的ストレスや過労に晒されると、交感神経が過剰に優位となり、脳が常にオーバーヒート状態に陥ります。氷を硬い歯でバリバリと噛み砕く強い物理的衝撃は、脳内で一時的にエンドルフィンやドーパミンを分泌させ、不安やイライラを瞬間的に麻痺させる「自傷的コーピング(ストレス解消行動)」として機能してしまう側面があるのです。