欠伸とは単なる眠気か?脳冷却の真相と生あくびに潜む危険な病気の予兆
欠伸とは単なる眠気か?脳冷却の真相と生あくびに潜む危険な病気の予兆とは一体何なのか? 背景や要点を整理してお届けします。
長年、学校の授業や世間話で語られてきた俗説に「部屋の二酸化炭素濃度が上がり、体内の酸素が不足するからあくびが出る」というものがあります。しかし、酸素不足と二酸化炭素の真相を検証した近年の実験研究によって、この定説はすでに完全に覆されました。
高濃度の酸素を吸入させた被験者と、二酸化炭素濃度を高めた空間に置いた被験者を比較した複数の臨床実験において、あくびの発生頻度には有意な差が見られませんでした。つまり、血中酸素濃度の低下があくびの主因ではないことが立証されたのです。
現在、国際的な神経科学界で最も強固な支持を集めているのが、米ニューヨーク州立大学のアンドリュー・ギャラップ博士らが提唱した「脳の冷却仮説」です。成人体重の約2%にすぎない脳は、全身のエネルギー消費量の約20%を占める超高熱器官であり、パソコンのCPUと同様に稼働熱で容易にオーバーヒートします。脳の温度が上昇すると情報処理能力が低下し、注意力が散漫になります。
大きく口を開けて外気を取り込むことで、鼻腔や口腔周辺の血管網が急速に冷やされます。冷却された新鮮な血液が脳幹や大脳皮質へ送り込まれ、熱を持った血液と循環・熱交換を行うことで、脳の適正温度(約37度前後)を維持する――これがあくびが出る本当の理由として認知されています。眠気を感じる時間帯にあくびが増えるのも、睡眠に向けて体温調整(深部体温を下げようとする生理反応)が活発化しているためです。