消費税がない国一覧と財源の仕組み|税金ゼロ国家の生活費と移住の罠
消費税がない国一覧と財源の仕組み|税金ゼロ国家の生活費と移住の罠にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
先進国の中で唯一、国レベルの付加価値税(VAT)を持たないのがアメリカ合衆国です。アメリカでは連邦政府による消費税が存在せず、州(State)および郡・市などの自治体(Local)がそれぞれ「売上税(Sales Tax)」を課す分権的な制度を採用しています。
全50州のうち、州レベルの売上税を導入していない州は「NOMAD」と呼ばれる5州(ニューハンプシャー、オレゴン、モンタナ、アラスカ、デラウェア)に限られます。日本人旅行者や駐在員の間でも「オレゴン州やデラウェア州に行けば買い物に税金がつかない」と重宝されますが、ここに税制の大きなトレードオフが存在します。
売上税がない州は、行政サービスを維持するための代替手段として極めて重い所得税や固定資産税を設定しています。オレゴン州の個人所得税率は最高水準で9.9%に達し、ニューハンプシャー州は全米屈指の固定資産税の高さを誇ります。さらに、アラスカ州のように広大な土地から採掘される原油の採掘税(Severance Tax)で州財政を賄い、住民に配当金まで配る特殊なケースを除けば、どこかの税金が免除されれば別の税金で回収されるのが税務統計の一貫した真実です。