堂珍嘉邦の現在とChemistryの真実|不仲説の裏と歌声の進化
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CHEMISTRYを語る上で避けて通れないのが、デビュー10周年イヤーを終えた2012年4月に発表された活動休止です。当時、全国ツアーの最終公演直後に突如アナウンスされた休止宣言は、音楽業界とファンに巨大な衝撃を与えました。ワイドショーや週刊誌では即座に「川畑要と堂珍嘉邦の不仲説」や「楽屋別室・会話ゼロの確執」がセンセーショナルに書き立てられる事態となったのです。
しかし、当時の密着ドキュメンタリーや後のロングインタビューで本人が語った言葉を精査すると、そこにあったのは低俗な感情的対立ではありませんでした。当時の特番インタビューで堂珍は次のように胸中を明かしています。
「CHEMISTRYという看板があまりにも大きくなりすぎて、自分自身が本当に鳴らしたい音や、個人としての表現の足腰が見えなくなっていた。一度相方と距離を置き、1人の表現者として荒野に立たなければ、これ以上新しい歌は歌えないと感じた」
この決断の背景には、急速なブレイクがもたらした精神的飽和状態がありました。心理学において、過密な共同作業を長年続けたパートナー間には、個人のアイデンティティが侵食される「境界線の曖昧化」が生じやすいとされます。互いを嫌いになったのではなく、デュオという強力な枠組みの中で互いをリスペクトし続ける限界を迎えていたのが、CHEMISTRYの活動休止の真相でした。