沢田研二『コバルトの季節の中で』の真実!自作曲が今も愛される理由
沢田研二『コバルトの季節の中で』の真実!自作曲が今も愛される理由を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を凝縮して配信します。
本作の完成度を語るうえで欠かせないのが、若き天才アレンジャー・船山基紀の手腕です。歌謡曲からニューミュージック、シティポップへの過渡期にあった当時、船山は爽やかなアコースティックギターのストロークと軽快なパーカッション、そして壮麗でありながら決して重くならない流麗なストリングスを融合させました。このアレンジメントは、のちに日本のポップスシーンを席巻する船山サウンドの原点の一つと目されています。
音楽理論の観点からコード進行を分析すると、心地よいポップスの王道進行を基盤にしつつ、メロディの跳躍にジュリー独特のハイトーンの甘さが絶妙に絡み合う構成になっています。サビに向けて爽やかに抜けていくコード展開は、ギター弾き語りを楽しむアマチュアミュージシャンの間でも高い人気を誇り、演奏するたびにメロディメーカーとしての沢田研二の天性のセンスを実感させられます。
また、本作のシングルB面(当時のEP盤裏面)に収録された『夕なぎ』の存在も見逃せません。『夕なぎ』は山上路夫作詞、加瀬邦彦作曲、船山基紀編曲という、ザ・ワイルドワンズ時代からの盟友・加瀬が提供した哀愁漂うバラードです。A面の爽やかな初秋の風と、B面の黄昏ゆく切ない情景。この2曲が揃うことで、1976年秋の沢田研二の音楽世界は完璧な調和を遂げていました。