支配と孤立の闇から10年以上――「尼崎連続変死事件」が今なお日本社会に突きつける問いと、現代に潜む“見えない監禁”

支配と孤立の闇から10年以上――「尼崎連続変死事件」が今なお日本社会に突きつける問いと、現代に潜む“見えない監禁”の全体像を詳しく解説してご紹介します。

事件の中心にいた角田美代子は、他人の家庭に巧みに入り込み、主導権を握るプロフェッショナルだった。彼女が用いたのは、暴力による直接的な脅迫だけではない。金銭トラブルや些細な揉め事をきっかけにターゲットの家に居座り、やがて家族の序列を書き換えていく。実の親子や夫婦の間に疑心暗鬼の種をまき、信頼関係を徹底的に破壊したのだ。

結果として生まれたのは、血のつながりを持たない異様な「疑似家族」だった。美代子を頂点とするこの歪んだピラミッドの中で、かつての家族は互いを監視し、密告し合う敵同士へと変貌させられた。支配者が手を下すまでもなく、家族の手によって家族が追い詰められていく。この極限の支配構造こそが、事件の犠牲者を増やし続けた最大の要因である。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

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