虫歯じゃないのに歯が痛い激痛はなぜ?隠れた危険な病気と今すぐ試す応急処置
虫歯じゃないのに歯が痛い激痛はなぜ?隠れた危険な病気と今すぐ試す応急処置について徹底解説いたします。最新の情報をチェックしてください。
歯に穴が開いていないにもかかわらず激痛が生じる背景には、人間の痛覚伝達システムの複雑さがあります。歯や歯肉の感覚を司る神経は、顔面全体の感覚を担当する「三叉神経」に合流し、脳へと痛みの信号を送ります。この神経回路の途中で混線が生じたり、近接する器官の炎症が神経を介して歯の痛みとして錯覚されたりする現象が「関連痛(放散痛)」です。 臨床現場において、虫歯ではない歯痛を引き起こす代表的な8大原因は以下の通りです。
1. 筋膜性歯痛(咀嚼筋のコリ・トリガーポイント)
側頭筋や咬筋など、物を噛む筋肉に過度の負荷がかかり「トリガーポイント」と呼ばれる硬いしこりが形成されると、そこから離れた奥歯にズキズキとした強い関連痛を放ちます。
2. 三叉神経痛
顔面の感覚を脳へ伝える三叉神経が血管に圧迫されることで生じる神経障害です。洗顔、歯磨き、食事、冷たい風が顔に当たった瞬間に、電撃が走るような鋭い激痛が数秒から数十秒間走ります。
3. 上顎洞炎(副鼻腔炎・蓄膿症)
鼻の奥にある空洞(上顎洞)は、上の奥歯の根元と骨一枚を隔てて極めて近い位置にあります。副鼻腔炎によって上顎洞に膿がたまると、歯の神経が圧迫され、上の奥歯全体が浮くような重い激痛や拍動痛を引き起こします。
4. 歯根膜炎および歯の破折(歯髄炎から移行した微細クラック)
虫歯がなくとも、強い噛み締めや打撲によって歯を支える「歯根膜」に炎症が生じると、噛んだ瞬間に耐えがたい激痛が走ります。また、目に見えない微細な歯根のヒビ(クラック)から細菌が侵入し、激しい歯髄炎の症状を呈することもあります。
5. 帯状疱疹ウイルスによる神経痛
体内に潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが三叉神経領域で再活性化すると、皮膚に発疹が出る数日前から、特定の歯や歯茎に焼けつくような激痛(神経痛)をもたらします。
6. 心原性歯痛(心筋梗塞・狭心症の放散痛)
心臓の冠動脈が詰まる心筋梗塞や狭心症の発作時、心臓からの痛みのシグナルが迷走神経や脊髄を介して混線し、「左側の奥歯や下顎の激痛」として知覚される極めて危険な兆候です。
7. 突発性・群発頭痛に伴う歯痛
「自殺頭痛」とも称される群発頭痛では、目の奥だけでなく上顎の奥歯周辺に突き刺すような激痛が群発期に連日発生します。
8. 心理社会的要因・心因性歯痛
職場や家庭環境の強いストレス、抑うつ状態、自律神経の乱れにより、脳の疼痛抑制機能が低下し、何もない歯に持続的な慢性疼痛を感じる病態です。