室伏広治の筋肉はなぜ規格外なのか?超人伝説と独自理論の全貌
室伏広治の筋肉はなぜ規格外なのか?超人伝説と独自理論の全貌の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
バーベル至上主義から脱却した室伏氏が構築したトレーニングメニューは、運動生理学の常識を覆す独創的なものでした。その代表格が、今や伝説として語られる「新聞紙トレーニング」と「赤ちゃんトレーニング」です。
新聞紙トレーニングは、広げた新聞紙の端を片手で持ち、手首や腕の反動を使わずに、指先の動きだけでクシャクシャと手のひらの中に丸め込んでいくというもの。一見すると地味なリハビリのように見えますが、実際にやってみると数十秒で前腕と指先のインナーマッスルが悲鳴を上げます。末梢である指先の繊細なコントロール能力を取り戻し、前腕から体幹、背中へと続く筋膜のラインを再起動させる目的が緻密に設計されていました。
さらに異彩を放つのが、発育発達学を取り入れた赤ちゃんトレーニングです。生まれたばかりの乳幼児は、筋トレなど一切していないにもかかわらず、自重に対して極めて力強く動き、寝返りを打ち、立ち上がります。室伏氏は、大人が成長の過程で失ってしまった「無駄な力みのない骨格主導の動き」を取り戻すため、床に這いつくばってハイハイを繰り返したり、赤ちゃんの寝返り動作を模倣するコレクティブエクササイズを日常のメニューに組み込みました。
このほかにも、バーベルの両端に重りの代わりに水を入れたバケツを吊るして不規則な揺れを抑え込むトレーニングや、うちわを仰ぐ抵抗で肩甲骨周囲のスタビリティを高めるドリルなど、彼のメニューは常に「不規則な外力に適応する神経回路の開発」に向けられていました。彼から指導を受けた吉田沙保里選手をはじめとするトップアスリートたちが「たった数十分の指導で体の使い方が激変し、疲労が消えた」と証言する通り、その効果は極めて実践的で再現性の高いものでした。