お城の英語はCastleだけ?Palaceとの違いや天守閣・城郭表現

お城の英語はCastleだけ?Palaceとの違いや天守閣・城郭表現に関する疑問や疑問点を徹底的にまとめました。今すぐチェックことができます。

全国の城郭観光地でガイドを務める全国通訳案内士への独自取材や、SNS・掲示板における訪日外国人の生の声を集約すると、案内現場における「コミュニケーションのすれ違い」が浮き彫りになります。典型的なトラブルの一つが、お城の英語の発音と読み方に関する基本的な思い込みです。

日本人の多くがカタカナ英語で「キャッスル」と発音しますが、英単語の「castle」は「t」を発音しない黙字(サイレントT)です。国際音声記号(IPA)では、イギリス英語で/ˈkɑː.səl/(カーソルに近い響き)、アメリカ英語で/ˈkæs.əl/(キャスル)となります。義務教育のスペル暗記に引っ張られ、「キャストル」と発音してしまうと、ネイティブ話者には全く別の単語に聞こえてしまいます。

さらに深刻なのは、単語が喚起するイメージの乖離です。都内の観光案内所で長年インバウンド対応を行うベテランガイドは、現場の実情を次のように明かします。

「ヨーロッパからの旅行者に『Today we will visit the castle』と案内したところ、彼らはディズニーランドのシンデレラ城のような煌びやかな宮殿を期待していました。しかし実際に連れて行った先が戦国時代の山城跡だったため、『ただの山道と土の溝ではないか。どこにお城があるのか』と失望された経験があります。山城であれば最初から『mountain fortress ruins(山岳要塞の跡)』と説明しておくべきでした」(現役通訳案内士の証言)

知恵袋や海外フォーラム(Redditなど)の観光コミュニティでも、「日本の城は外見は城(castle)だが、中は空っぽの木造建築で驚いた」「展示館になっている復元天守と、現存12天守の違いが英語の説明板だけでは理解しにくい」といった指摘が散見されます。単にcastleと言い切るだけでなく、その城が持つ構造的・歴史的性格を添えて伝える配慮が現場では強く求められています。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest