子どもの高熱で叫ぶ熱せん妄とは?急性脳症との見分け方と対処法
子どもの高熱で叫ぶ熱せん妄とは?急性脳症との見分け方と対処法についての真相をお届けします。
「インフルエンザの薬を飲ませた直後に子どもが飛び降りようとした」「異常行動は抗ウイルス薬の副作用ではないか」――。2000年代中盤にワイドショー等で盛んに報じられたこの言説は、現在でもインターネット上の掲示板やSNSで根強く信じられています。しかし、厚生労働省の研究班による1万人規模の大規模疫学調査によって、この認識は明確に覆されています。
研究班の追跡調査によれば、タミフル(一般名:オセルタミビル)をはじめ、リレンザ、イナビル、ゾフルーザといった抗インフルエンザ薬を「一切服用していない」患者群においても、約10〜15%の割合で同等の異常行動が発生している事実が判明しました。つまり、タミフルと異常行動の関連性は直接的な因果関係ではなく、インフルエンザウイルスそのものがもたらす急激な高熱と強い炎症反応こそが主犯であったという結論です。
現在、厚生労働省の公式見解でも「医薬品の服用の有無にかかわらず、インフルエンザと診断された未成年者については、発熱から少なくとも2日間は一人にしない」という注意喚起が出されています。「抗ウイルス薬を飲ませていないから異常行動は起きない」と油断することこそが、取り返しのつかない事態を招く最大の盲点です。