「いただきありがとうございます」は失礼?誤用説の真相と正しいメール術
「いただきありがとうございます」は失礼?誤用説の真相と正しいメール術とはどのようなものなのか? 背景や要点を簡潔に解説します。
ビジネス敬語を巡る情報の中には、極端なマナー講師による私見が一般化し、読者を不要に萎縮させている事例が散見されます。特に「いただきありがとうございます」にまつわる2つの盲点を明確にしておきましょう。
第一の盲点は、「いただき」を漢字で「頂き」と表記してしまうミスです。ビジネス文書において、動詞として直接物を手で受け取る場合は「手紙を頂く」と漢字表記することもありますが、他の動詞について補助的な役割を果たす補助動詞(〜していただく)の場合は、公用文作成のルール上「ひらがな」で表記するのが鉄則です。「ご覧頂きありがとうございます」と書くと、文字の圧迫感が強くなり、視覚的なノイズを生む原因となります。
第二の誤解は、「上司に対して使ってはいけない」という極論です。前述の通り、謙譲語Ⅰと丁寧語の組み合わせであるため、直属の上司や先輩に使っても何ら失礼にはあたりません。失礼と見なされる唯一のケースは、「〜いただきありがとうございます」と言いながら、その行動自体が上司の義務であるかのように上から目線で評価を下す文脈(例:ちゃんとチェックしていただきありがとうございます、等)です。姿勢が謙虚である限り、言葉そのものを過度に忌避する必要はありません。