タンポン使用で足切断?モデルを襲ったTssの真相と危険回避法
タンポン使用で足切断?モデルを襲ったTssの真相と危険回避法の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
なぜ生理用品が四肢の切断という事態を引き起こすのか。その直接的な犯人は、人間の皮膚や鼻腔内にごく普通に存在する「黄色ブドウ球菌」だ。普段は何の害も及ぼさない常在菌だが、特定の条件下で爆発的に増殖すると、強力な毒素(TSST-1など)を産生し始める。この毒素が血液を通じて全身に駆け巡ることで引き起こされるのが、トキシックショック症候群(TSS)である。
高吸収力をうたう製品の内部は、体温と血液が保たれ、細菌にとって格好の増殖温床となり得る。長時間にわたって体内に挿入したまま放置することや、微小な傷から毒素が体内に侵入することで、免疫系はパニックを起こす。初期症状はインフルエンザに酷似しており、突如の発熱、嘔吐、下痢、全身の皮疹から始まる。そのため発見が遅れやすく、急速に血圧が低下してショック状態に陥る。
血圧の急降下は、全身の末端組織への血流をストップさせる。脳や心臓といった重要臓器に血液を優先的に送るため、手足の先から組織が死滅していくのだ。壊死が始まれば、敗血症による全身死を防ぐための唯一の選択肢が「切断」となる。感染から組織壊死に至るスピードは極めて速く、時間との闘いとなる点が、この病態の最大の恐怖だ。