インフルエンザに麻黄湯は効く?抗ウイルス薬との違いと正しい服用法

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SNSやネット掲示板上では、「麻黄湯さえ常備しておけばインフルエンザは抗ウイルス薬なしで完治する」といった極端な言説が散見されます。しかし、これは漢方医学の根幹である「証(しょう:患者の体質や病態)」の概念を完全に無視した危険な誤解です。

インフルエンザに対して麻黄湯が適応となるのは、体力が充実しており(実証)、ガッシリとした体格で、強い悪寒と全身痛に耐えうるエネルギーを持った患者に限られます。普段から胃腸が弱い「虚証(きょしょう)」の体質や、高齢者、慢性的な倦怠感を抱える人が麻黄湯を服用すると、胃もたれ、激しい食欲不振、下痢、極度の脱力感を引き起こし、かえって病状を悪化させてしまいます。

医師がインフルエンザに対して漢方薬を処方する理由は、「西洋薬の抗ウイルス薬が嫌いだから」ではありません。発熱後48時間を経過して抗ウイルス薬の効果が期待できない時期に来院したケースや、耐性ウイルスの出現が疑われる局面、あるいは高熱と激烈な関節痛を速やかに緩和させるための合理的判断として麻黄湯を選択しているのです。体質的に麻黄湯が合わない患者には、より温和な「葛根湯(かっこんとう)」や「桂枝湯(けいしとう)」、「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」など、証に応じた別処方が適用されます。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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