サンリオ創業者辻信太郎の激動半生|孫への交代理由と98歳の今を追う

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世界的なIP企業として順風満帆に見えたサンリオでしたが、2010年代初頭、組織を揺るがす最大の悲劇に見舞われます。信太郎氏の長男であり、専務取締役として海外ライセンス事業を飛躍的に成長させた後継者筆頭の辻邦彦(くにひこ)氏が、2013年11月、出張先の米国ロサンゼルスにて61歳で急性心不全により急逝したのです。

邦彦氏は、欧米のハイブランドやセレブリティを巻き込んだキティブームを仕掛けた立役者であり、誰もが次期社長と認めるカリスマリーダーでした。最愛の息子であり右腕を突如失った信太郎氏の精神的打撃は計り知れず、当時86歳だった創業者は自ら再び陣頭指揮を執り続けることを余儀なくされました。

しかし、時代は急速にデジタルシフトとスマートフォン全盛期へ移行。旧来の物販・店舗主導モデルから抜け出せず、サンリオの業績は2015年以降、営業利益が連続減益に陥るなど深刻な長期低迷期へと突入します。

この危機的状況を打破すべく、2026年7月、信太郎氏は創業60周年の節目に孫である辻朋邦(ともくに)氏へ社長の座を託す社長交代を決断しました。実に60年ぶりとなるトップ交代であり、当時31歳という若さでの大抜擢でした。

朋邦氏は1988年11月1日生まれという、奇しくもハローキティと同じ誕生日を持つ人物です。慶應義塾大学を卒業後、他社勤務を経て2014年にサンリオへ入社。父・邦彦氏の急逝という重責を背負いながら企画やマーケティングの現場で実績を積み上げていました。信太郎氏が孫への承継を決めた決定的な理由は、「創業の理念を守り抜く純粋な創業家の血統」と「激変するデジタル時代に即応できる圧倒的な若さとスピード感」を併せ持つ唯一無二の存在だったからに他なりません。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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