はじめちょろちょろ中ぱっぱは間違い?科学が明かす真相と土鍋炊飯の極意

はじめちょろちょろ中ぱっぱは間違い?科学が明かす真相と土鍋炊飯の極意についての疑問解決ガイドをお届けします。

童謡のように口ずさまれてきた「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」ですが、これは単なる語呂合わせではなく、かつて薪(まき)とかまどを使って米を炊いていた時代の火加減マニュアルでした。一般的には前半部分のみが広く認知されていますが、地域や時代によって複数のバリエーションを伴う「はじめちょろちょろ中ぱっぱの全文」が存在します。

民間伝承や各地の食文化記録を紐解くと、代表的な全文は以下のように唄い継がれてきました。

「はじめちょろちょろ 中ぱっぱ、赤子泣いても蓋取るな、じゅうじゅう吹いたら火を引いて、ひと焚き(ひと握りのワラ燃やし)して蒸らせ」

地方によっては「赤子泣くとも蓋取るな、最後にひと焚きピリピリと」と表現されることもあり、いずれも加熱の推移から火の鎮め方、最後の仕上げに至るまでを網羅した極めて実用的な作業手順書だったことが分かります。

中でも強烈なインパクトを残す「赤子泣いても蓋取るなの意味」について、単なる戒め以上の物理的根拠が証明されています。炊飯中の釜の内部では、水が沸騰して米のデンプンが吸水・膨張し、糊化(ベータデンプンからアルファデンプンへの変性)が進む過程で猛烈な蒸気圧が生まれています。ここで空腹の赤子が泣き叫ぼうと、途中で絶対に蓋を取ってはならない理由は、釜内の温度低下と気圧抜けを防ぐためです。

一度でも蓋を開けて外気を取り込んでしまうと、釜内の沸騰温度である100℃前後が一瞬で急降下し、デンプンの糊化がストップして芯が残る「めっこ飯」と呼ばれる加熱不良を引き起こします。先人たちは熱力学の理論を知らずとも、釜の中の熱エネルギーを閉じ込める極限の集中作業であることを「赤子が泣いても決して気を取られてはならない」という比喩で伝えていたのです。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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