1日40Km歩けたのはなぜ?江戸時代の旅人を支えた持ち物と旅費の真相
1日40Km歩けたのはなぜ?江戸時代の旅人を支えた持ち物と旅費の真相の具体的な内容に迫る! 専門的な視点で紐解きます。
「長期の旅に出るとなれば、莫大な費用がかかったのではないか」という疑問は少なくありません。江戸後期の物価史料をもとに試算すると、江戸から伊勢参りを経て京都・大坂を巡る約1カ月の旅にかかった費用は、1人あたり金2両から3両程度でした。当時の米価や職人の日当から1両を約10万〜12万円と現代換算すると、およそ25万〜35万円前後の出費となります。土産代や予備費を含めれば、現代の感覚で約40万〜50万円を準備する必要がありました。
宿泊した「旅籠(はたご)」の料金は、一泊二食付きで約200文〜300文、現代の金銭感覚で言えば約4,000円〜6,000円と非常にリーズナブルでした。さらに費用を抑えたい貧乏旅行者は、自炊用の薪代だけを支払って雑魚寝する「木賃宿(きちんやど)」を利用し、一泊数十文(数百円〜千円程度)で夜をしのぎました。
長旅を歩き通す絶対条件は、荷物の徹底的な軽量化でした。肩に掛ける道中合羽(どうちゅうがっぱ)を含め、携行品の総重量はわずか4〜5kg程度に抑えられていました。荷物が増えればそれだけ体力を削り、踏破日数が増えて宿泊費がかさむためです。