敬礼は世界共通ではない?手のひらや2本指など驚きの違いを徹底解剖
敬礼は世界共通ではない?手のひらや2本指など驚きの違いを徹底解剖についての真相をご紹介します。
世界各国の軍隊を見渡すと、手のひらの向きや指の数に独自のアイデンティティが明確に現れています。代表的な事例を掘り下げてみましょう。
まず際立った特徴を持つのがイギリス軍の敬礼における手のひらの向きです。イギリス陸軍(British Army)および王立空軍(RAF)では、右手のひらを完全に受礼者(相手)の正面へ向けて掲げます。「手の内に敵意も凶器も一切隠し持っていない」という徹底した透明性を誇示する伝統作法です。ところが同じ英国でありながら、イギリス海軍(Royal Navy)は手のひらを下に向けて相手に見せません。これには帆船時代の過酷な労働環境が関わっており、水兵たちの手がロープのタールや煤(すす)で真っ黒に汚れていたため、「上官に汚れた手のひらを見せるのは非礼にあたる」として、手のひらを伏せる作法へと改められた歴史があります。
さらに異色を放つのが、ポーランド軍の二本指敬礼(Rogatywka・ロガティフカ)です。人差し指と中指の2本だけを揃えて伸ばし、薬指と小指は親指で押さえて額にかざします。この所作は「祖国(Ojczyzna)」と「名誉(Honor)」を象徴するとされ、1830年の十一月蜂起(対ロシア革命)において重傷を負い、指を2本失った兵士が血まみれの右手で上官に敬礼したという英雄的伝承が受け継がれています。他国の軍隊から見れば極めて特異に見えるこの2本指敬礼も、ポーランド国民にとっては誇り高き独立精神の象徴として愛されています。
対照的に、世界標準とも目されるアメリカ軍の敬礼の作法は、手のひらをしっかりと下(地面側)に向け、手首から中指の先までを一直線に保ちながら、眉または制帽の鍔(つば)の右端に指先を添えます。相手に対して手のひらを見せず、手の甲をわずかに上へ向けたシャープな直線美を重視するスタイルです。このように、敬礼の手のひらの向きひとつ取っても、国や組織が何を重んじてきたかという哲学が浮き彫りになります。