クォーターパウンダーはなぜ消えた?販売終了の理由と復活の行方

クォーターパウンダーはなぜ消えた?販売終了の理由と復活の行方について詳しく解説いたします。専門家の見解をご確認ください。

2017年4月4日、日本マクドナルドは「クォーターパウンダー・チーズ」および「ダブルクォーターパウンダー・チーズ」の販売を順次終了することを公式に発表しました。当時の日本マクドナルド公式発表では「メニューのラインナップ変更に伴うもの」「新レギュラーメニューの導入に伴う入れ替え」と簡潔に説明されるにとどまり、明確な事業戦略上のディテールまでは踏み込まれませんでした。そのため、ファンの間では「売上が落ち込んだのか」「原材料費が高騰したからではないか」といった様々な憶測が飛び交う事態となりました。

しかし、飲食業界の流通構造や厨房システムを精査すると、販売終了へ踏み切らざるを得なかったオペレーション上の構造的要因が浮き彫りになります。最大の理由は、クォーターパウンダー専用のビーフパティがもたらす「厨房グリドル(鉄板)の占有」と「提供スピードへの摩擦」でした。一般的なマクドナルドのレギュラーパティ(10対1パティ=約45g)と、調理前重量が約2.5倍に達するクォーターパウンダー用パティ(4対1パティ=113.4g)では、火を通すための加熱時間もグリドルの温度・アタッチメント設定も全く異なります。

当時のマクドナルドは、2014〜2015年の経営危機からサラ・カサノバ体制のもとで急速なV字回復を目指し、徹底した現場オペレーションの標準化とクイックサービスの原点回帰を進めていました。注文を受けてから商品を提供するまでの秒単位のタイムロスを削る中で、ピーク時にグリドルの一角を長時間占有してしまう大型パティの存在は、店舗全体の回転率を著しく低下させるボトルネックとなっていたのです。

加えて、2017年当時、同社は「グラン」シリーズ(後のサムライマックへと繋がる肉厚バーガー路線)の投入を控えていました。より幅広い客層(ファミリー層や女性層)に受け入れられやすく、かつ厨房のオペレーション負荷を平準化できる新しい看板商品の立ち上げに伴い、コアな男性ファンに偏っていたクォーターパウンダーは惜しまれつつも役割を終えることとなりました。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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