蚊に刺されやすい血液型の真相|O型が狙われる理由と最新予防策
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「O型は本当に蚊に刺されやすいのか」という長年の疑問に対し、科学的なメスを入れた代表的な研究として知られるのが、富山医科薬科大学(現・富山大学)の白井良和博士らによる実験です。この研究では、前腕部を蚊(ヒトスジシマカ)のケージに入れて吸血行動を観察するテストが実施されました。
被験者の血液型ごとに蚊の着地・刺咬回数を詳細に測定した結果、O型の人はA型の人と比較して約1.8倍から2倍近く蚊に刺されやすいという有意な差異が記録されました。被験者群における刺されやすさの傾向を順位化すると、次のような順序が浮かび上がります。
- 第1位:O型(最も着地・吸血頻度が高い)
- 第2位:B型(O型に次いで高い反応を示す)
- 第3位:AB型(中間的な数値を示す)
- 第4位:A型(実験条件下において最も刺されにくい)
この差が生じる決定的な要因として研究チームが着目したのが、皮膚分泌物に含まれる「ABO式血液型の抗原物質」です。ヒトには、汗や唾液などの体液中に血液型物質(糖鎖抗原)を分泌する「分泌型(約80%)」と、分泌しない「非分泌型(約20%)」が存在します。分泌型の皮膚表面からは、微量ながら血液型特有の化学シグナルが放たれており、蚊の嗅覚受容体がO型の持つ「H抗原(糖鎖構造)」に強く反応している可能性が提示されています。
ただし、研究者らは「血液型単独ですべてが決まるわけではない」とも厳格に警告しています。血液型物質は近距離での着地判断に関与するものの、蚊が遠方から人間を感知して接近する主因ではないためです。