普通の貧血と何が違う?巨赤芽球性貧血の原因と悪性貧血の決定的な差
普通の貧血と何が違う?巨赤芽球性貧血の原因と悪性貧血の決定的な差の重要なポイントについて、最新情報を取りまとめてご紹介します。
臨床現場の医師や、診断に至るまで長期にわたり原因不明の不調に苦しんだ患者の手記を精査すると、そこには「見逃されやすい初期症状」と「思い込みによる誤ったセルフケア」という共通の落とし穴が浮かび上がってきます。
都内の大学病院血液内科を受診した60代男性の症例手記には、次のような生々しい告白が綴られています。
「半年前から足の裏に何かが張り付いたような違和感があり、歩行時にバランスを崩すことが増えました。近所の整形外科では『加齢に伴う腰椎椎間板ヘルニア』と診断され、牽引治療を続けていましたが一向に改善しない。そのうち舌が火傷したように赤く腫れ上がり、食事も喉を通らなくなって初めて総合内科へ運ばれ、ビタミンB12の枯渇が判明しました。数年前に受けた胃の手術のことなど、すっかり忘れていたのです」
また、SNSや健康相談プラットフォーム上では、安易なサプリメント信仰が招く弊害も多数報告されています。「貧血気味だから」とドラッグストアで購入した鉄剤を半年間飲み続けたものの、倦怠感が消えず血液検査を受けたところ、重度のビタミンB12欠乏による悪性貧血だったという事例は枚挙にいとまがありません。
医療従事者が最も警戒を呼びかけているのが、俗に「葉酸トラップ」と呼ばれるマスキング現象です。ビタミンB12が不足している患者に対し、誤って葉酸製剤だけを過剰に投与すると、DNA合成回路の一部が見かけ上回復するため、血液検査上の大球性貧血は一時的に劇的に改善してしまいます。しかし、背後で進行するミエリン鞘の崩壊は止まらず、貧血が治ったと油断している間に神経障害が深刻化し、元に戻らない後遺症を残してしまうのです。