1リットルの涙実話の真実と家族の現在|麻生くんの正体と木藤亜也の軌跡
1リットルの涙実話の真実と家族の現在|麻生くんの正体と木藤亜也の軌跡にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。
脊髄小脳変性症は、意識や知能が明晰なまま、身体の自由だけが確実に奪われていく過酷な疾患です。高校を卒業した後の亜也さんは、徐々に自力歩行が不可能となり、車椅子生活からやがて完全な寝たきり状態へと移行していきました。
最も残酷だったのは、自己表現の唯一の手段であった「文字を書くこと」と「言葉を発すること(構音障害)」が奪われていった過程です。20歳を過ぎる頃には指先の震えが激しくなり、ノートのマス目に文字を収めることができなくなりました。最後期には、母が作成した「五十音表」を指差すことでしか意思疎通が図れなくなりました。
1988年(昭和63年)5月23日未明、木藤亜也さんは入院先の名大病院で息を引き取りました。享年25歳10カ月。直接の死因は、長年の臥床生活による全身衰弱に伴う尿毒症でした。
彼女が筆を置く直前、震える手で懸命にノートに残した最後の言葉の一つが、「あ・り・が・と・う」という感謝の文字でした。絶望の淵にいながらも周囲への感謝を失わなかったその姿勢は、今なお色褪せない感動を放っています。