なぜ今「ブラック 無地」なのか?モード世界を魅了する漆黒の洗練
なぜ今「ブラック 無地」なのか?モード世界を魅了する漆黒の洗練についての疑問解決ガイドをお届けします。
歴史を振り返れば、黒という色の概念を根底から覆したのは日本のデザイナーたちだった。1980年代、西洋の伝統的なドレスコードに反旗を翻し、黒の衣服でパリのモード界に衝撃を与えたのが山本耀司である。彼の創り出す黒は、反骨精神と身体を包み込む自由の象徴であった。
同時期にコム・デ・ギャルソンを率いる川久保玲もまた、装飾を排したアヴァンギャルドな造形美で世界を震撼させた。それまで禁忌とされていたアンチ・エレガンスとしての黒は、彼女たちの手によって洗練されたモード・ファッションの到達点へと昇華されたのだ。今日私たちが日常的に手にするスタイルの底流には、パイオニアたちが拓いた美意識が確かに脈打っている。