大相撲の頂点「横綱」昇進条件と引退の真相|歴代最強と最新動向を解剖
大相撲の頂点「横綱」昇進条件と引退の真相|歴代最強と最新動向を解剖の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。
本場所の観客を魅了するのが、幕内取組の前に行われる横綱土俵入りです。従者として露払いと太刀持ちを従え、四股を踏むごとに観客から「よいしょ!」の掛け声が飛ぶこの儀礼には、「雲竜型」と「不知火型」という二大様式が存在します。
両者の構造的な違いは、せり上がり(立ち上がる動作)の手の形に集約されます。
- 雲竜型:左手を胸の近くに当て、右手を外へ伸ばす構え。伝統的に「守りを固めつつ攻める」攻守一体の型とされ、歴代の多数派を占める(栃錦、初代貴乃花の兄・若乃花、輪島、千代の富士、貴乃花、朝青龍、稀勢の里など)。
- 不知火型:両腕を大きく外側へ広げてせり上がる構え。胸を張り「敵を迎え撃つ、攻撃一閃」の気迫を示すとされ、綱の締め方も雲竜型が後ろの輪を1つにするのに対し、不知火型は2つの輪を作るのが特徴(吉葉山、初代若乃花と競った栃ノ海、旭富士、若乃花勝、白鵬、照ノ富士など)。
昭和から平成にかけて相撲ファンの間で囁かれたのが、「不知火型は短命に終わる」という強固なジンクスでした。事実、不知火型を選んだ過去の名横綱には、怪我や病気に泣かされ、在位期間が短く終わった力士が散見されたためです。吉葉山は在位17場所、栃ノ海は在位11場所で引退を余儀なくされました。
しかし、このジンクスは完全に過去の遺物となりました。第69代白鵬が不知火型を選択し、84場所に及ぶ長期在位と45回の幕内最高優勝という空前絶後の成績を打ち立てたからです。さらに第73代照ノ富士も不知火型を継承し、両膝の重傷と内臓疾患から序二段まで転落した後に奇跡の横綱昇進を果たして何度も賜杯を抱きました。現在では「攻撃型の不知火、守備型の雲竜」という精神的象徴の差こそあれ、型の違いが力士の寿命を直接左右するという説はデータによって覆されています。