破天荒な大僧正・今東光の生涯|毒舌と慈悲が放つ人間的魅力
破天荒な大僧正・今東光の生涯|毒舌と慈悲が放つ人間的魅力を徹底追究! 知っておきたい トピックの裏側を分かりやすく展開します。
今東光を語る上で欠かせないのが、のちに国民的僧侶・作家となった瀬戸内寂聴(当時・瀬戸内晴美)との深い師弟関係です。
波乱に満ちた恋愛遍歴と文学活動の果てに、出家を強く望んでいた瀬戸内でしたが、当時の文壇での悪評や世間の偏見から、多くの寺院に出家を断られ続けていました。そんな彼女の魂の叫びを真っ正面から受け止めたのが、当時中尊寺の貫主を務めていた今東光でした。
1973年(昭和48年)、東光は中尊寺において瀬戸内晴美の得度式を執り行い、「寂聴」という法名を授けました。周囲からの猛反対や批判の声をものともせず、東光は「過去の罪や業を引き受けて仏の道に入るのが出家だ」と一喝。弟子の覚悟を全身で守り抜いたのです。
寂聴は生涯にわたり東光を「我が師」として敬愛し続け、その豪快な教えと慈愛を自身の法話や執筆活動に受け継いでいきました。世間が後ろ指を指す人間を決して見捨てず、むしろ手を差し伸べる東光の姿勢は、真の宗教者としての矜持そのものでした。