総工費400億の城・白浜ホテル川久の真相!王様のビュッフェと現在

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ホテル川久のルーツは、昭和の名旅館として皇族や文人墨客を迎えた純和風旅館「川久」に遡ります。1980年代後半のバブル経済期、2代目当主の壮大な構想により「世界の匠が技を競う世紀の建造物」を目指して建て替えプロジェクトが始動しました。国内外の一流建築家やアーティスト、職人が招聘され、約3年の工期と総工費約400億円を費やして1991年に会員制ホテルとして新装開業を果たしました。

建築を担当したのは建築家・永田祐三氏。中国の紫禁城を彷彿とさせる瑠璃瓦の屋根、イタリアの職人が手作業で敷き詰めたローマンモザイクタイルの床、ドイツの左官マイスターであるハインリッヒ・シュトックマルク氏が手がけた「シュトックマルク(擬石柱)」など、現代では再現不可能と言われる美術工芸が館内随所に埋め込まれています。その類まれな芸術性が評価され、1993年には建築界の栄誉である「村野藤吾賞」を受賞しました。

しかし、開業直後のバブル崩壊と会員権販売の伸び悩みにより、1999年に経営破綻を余儀なくされます。その後、リゾートホテル運営大手のKarakami HOTELS&RESORTS(旧カラカミ観光)が事業を継承。一般客向けのリゾートホテルへと舵を切り、現在では館内の美術コレクションを公開する「川久ミュージアム」を開館するなど、ホテル川久バブル遺産の現在は、単なる宿泊施設を超えた「泊まれる美術館」として盤石のブランドを確立しています。

特に特筆すべきは、エントランスロビーを見上げると広がる黄金色の天井です。フランスの金箔職人集団が22.5金の金箔約5万枚を1枚ずつ手作業で貼り付けたこの天井(面積約1,050㎡)は、2020年に「連続して金箔が貼られた最大の天井」として金箔天井ギネス記録に公式認定されました。日帰りでアート鑑賞を楽しむ旅行者向けに設定されたホテル川久ミュージアム入場料は一般1,000円(宿泊者は無料)となっており、世界的名画やダリの彫刻とともに至高の美を体感できます。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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