酒で顔が赤くなる理由は?鍛えて強くなる噂の嘘と食道がんリスクの真実

酒で顔が赤くなる理由は?鍛えて強くなる噂の嘘と食道がんリスクの真実についての最新情報をご紹介します。

お酒を口にして数分から十数分で顔や全身が赤らむ現象は、医学用語で「アルコールフラッシング反応(あるいはアルコールフラッシング症候群)」と呼ばれます。この反応が起きる背景には、肝臓における明確なアルコール分解ステップが存在します。

体内に取り込まれたアルコール(エタノール)は、胃や小腸から吸収されて血管を通り、主として肝臓へと運ばれます。肝臓では、まず「アルコール脱水素酵素(ADH)」などの働きによって、アセトアルデヒドという中間代謝物質へと速やかに変換されます。問題はこのアセトアルデヒドの性質です。タバコの煙などにも含まれるこの化学物質は、極めて強い細胞毒性と催吐性、そして強力な血管拡張作用を持っています。

通常、健康的な代謝プロセスでは、次に「ALDH2(2型アルデヒド脱水素酵素)」という酵素が働き、毒性の強いアセトアルデヒドを安全な「酢酸(お酢の成分)」へと速やかに分解します。酢酸は最終的に水と二酸化炭素に分解され、尿や呼気、汗となって体外へ排出されます。しかし、このALDH2の働きが生まれつき弱い、あるいは全く働かない体質の人の場合、アセトアルデヒドが分解されずに血液中を長時間循環し続けます。

その結果、皮膚の毛細血管が急激に拡張して皮膚表面の血流量が増加し、顔面紅潮を引き起こします。さらに血管拡張だけでなく、心拍数の急上昇(動悸)、拍動性の頭痛、吐き気、冷や汗といった典型的なアセトアルデヒド中毒症状が引き起こされるのです。つまり、お酒で顔が赤くなる現象は、アルコールそのものではなく、分解しきれなかった劇薬レベルの毒素が体内を巡っている物理的証拠にほかなりません。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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