英仏海峡トンネルの真実|海を渡る列車と知られざる苦闘の歴史
英仏海峡トンネルの真実|海を渡る列車と知られざる苦闘の歴史にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。
ロンドンのセント・パンクラス国際駅と、パリ北駅やブリュッセル南駅を結ぶ国際高速列車「ユーロスター(Eurostar)」。ロンドン〜パリ間の所要時間は最短で2時間16分。空港までのアクセス時間や搭乗手続きの手間を考慮すれば、航空機を完全に圧倒するシェアを誇っています。
そして2026年現在、英仏海峡トンネルを取り巻く環境は新たな歴史的局面を迎えています。
出入国審査のDXと「EES」導入の波紋
ブレグジット(イギリスのEU離脱)以降、ロンドン・パリ両駅のユーロスター乗り場ではパスポートへのスタンプ押印が必要となり、慢性的な長蛇の列が問題視されてきました。これに対し、EUが導入を進める新出入国システム「EES(Entry/Exit System)」によって、顔認証と指紋によるバイオメトリクス登録が本格稼働しています。導入初期のシステム混乱による遅延が懸念されたものの、事前オンライン登録端末の大量増設によって審査のスムーズ化が進められています。
ユーロスター「1強」の終焉と新規参入の動き
長年ユーロスターの独占状態だった旅客列車市場にも地殻変動が起きています。欧州の鉄道自由化の波に乗り、民間コンソーシアムや他国の国鉄系事業者が英仏海峡トンネルを走る高速鉄道への新規参入を相次いで表明。競争原理による運賃の引き下げや、ロンドンからフランクフルト、アムステルダム、さらにはジュネーブへの直通便拡大など、利用者にとって選択肢が広がる動きが加速しています。