アメリカンドッグは英語で通じない?本当の呼び方と違いの全真相
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そもそも、なぜ日本では「コーンドッグ」ではなく「アメリカンドッグ」という名前が定着したのでしょうか。その背景には、昭和の高度経済成長期における日本の食品メーカーの工夫と、当時の社会心理が深く関係しています。
コーンドッグの発祥は1920年代から1940年代のアメリカ中西部とされ、ステート・フェア(移動遊園地やお祭り)の屋台スナックとして人気を博しました。このスナックが日本へ持ち込まれたのは1960年代後半から1970年代初頭にかけてのことです。
当時、日本国内ではコーンミールが一般家庭や業務用市場にほとんど流通しておらず、調達コストも高価でした。そこで日本の食品開発者たちは、国内で容易に手に入り、日本人の口に馴染みやすかった小麦粉ベースのプレミックス(ホットケーキミックス粉)を代用して試作を重ねました。この結果、日本独自の「ふっくら甘い衣」を持つ製品が完成したのです。
ネーミングに関しても、「コーンドッグ」では当時の日本人に馴染みが薄く、何の食べ物か直感的に理解しにくいという課題がありました。折しも1970年の大阪万国博覧会などを契機に、アメリカのポップカルチャーやファストフードが「モダンでハイカラな憧れの象徴」として一大ブームを巻き起こしていた時代です。「アメリカからやってきた新しいホットドッグの仲間」という先進的なイメージを前面に押し出すため、「アメリカンドッグ」と命名されて販売がスタートしました。
なお、北海道や東北の一部地域では、ほぼ同じ形態のスナックが「フレンチドッグ」と呼ばれ、白砂糖をまぶして食される独自の文化が根付いています。これは「アメリカがあるなら、より洒落た響きのフランス(フレンチ)と名付けよう」という当時の屋台店主たちのブランディング意識や、手に入りやすかった魚肉ソーセージを美味しく食べる知恵から派生したと言われています。