ベッドサイドモニターの見方徹底解説!新人が急変波形を見抜く実践基準
ベッドサイドモニターの見方徹底解説!新人が急変波形を見抜く実践基準の重要ポイントをお届けします。役立つ情報が詰まっています。
心電図モニターの最も重大な任務は、放置すれば数分で脳死や心停止に至る不整脈を看過しないことです。日米の蘇生ガイドラインにおいて「心停止」と定義される波形のうち、電気的除細動(ショック)が適応となる波形と非適応波形の鑑別は、看護師にとって必須の知識体系です。
致死性不整脈の判読と急変兆候において、真っ先に脳内シナプスを直結させるべきは以下の4つの病態です。
- 心室細動(VF:Ventricular Fibrillation):P波もQRS波も完全に消失し、基線が不規則に揺れ動く波形。心室が細かく震え、血液拍出量はゼロ。1秒を争う除細動(AED/手動式除細動器)の絶対適応。
- 無脈性心室頻拍(Pulseless VT):幅の広いQRS波(Wide QRS)が100〜250回/分の高速かつ規則正しいリズムで連続する状態。意識がなく頸動脈の拍動が触知できなければ、プロトコル上はVFと全く同様に扱い、即時ショックを行う。
- 無脈性電気活動(PEA:Pulseless Electrical Activity):モニター上は何らかの整ったQRS波形が存在しているにもかかわらず、大動脈弁の開放が伴わず実脈が全く触知できない状態。除細動は無効であり、即座の胸骨圧迫とアドレナリン投与、原因検索(低体温、循環血漿量減少、緊張性気胸など)を開始する。
- 心静止(Asystole):完全な平坦線(フラット)。電気的活動が停止している状態。電極の外れ(リードオフ)との判別のため、ゲインを上げ別誘導でも確認した上で胸骨圧迫に突入する。
臨床の最前線で多くの新人看護師が恐怖するのは、画面上で突然VFやVTのような激しい波形が出現した局面です。しかし、ベテラン看護師は決して画面の波形だけで「ショックを!」と叫びません。まず行うのは、ベッドサイドモニター心電図の見方の原点である「患者への声かけ」と「頸動脈の拍動触知」です。患者が「痛いよ」と喋りながら激しく身をよじっている場合、それは患者の骨格筋電位やシーツの摩擦による「アーチファクト(偽波形)」です。真のVFや無脈性VTであれば、脳血流が途絶するため5〜10秒以内に確実に意識を失い卒倒します。「波形が荒れたらまず患者の意識と大動脈の拍動」——この数秒の確認ルーティンが、不必要なコードブルー発令を防ぎ、本物の心停止に対して迷いなき胸骨圧迫を開始させる分水嶺となります。