ベンツのゲレンデはなぜ高い?価格高騰の真相と驚異のリセール価値

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「ゲレンデは買えば絶対に損をしない」——SNSやネット掲示板でまことしやかに囁かれるこの言説は、一面の真理を含みつつも、重大な危険性を孕んだ誤解です。現場を取材すると、過度なリセール期待を抱いて飛び込んだユーザーが痛手を負う事例が少なくありません。

まず警戒すべきは、相場反落と金利変動の二重苦です。近年の異次元とも言えるプレミアム相場は、コロナ禍以降の世界的な半導体不足と円安、そして富裕層へのマネー流入が重なって生じた特殊な需給バランスに支えられていました。2026年現在、メーカー側の生産ライン正常化が進み、バックオーダーの解消が進むにつれ、一部の過熱したプレミア価格は沈静化の兆しを見せています。「買った瞬間に200万円儲かる」といったバブル期の転売ヤー的な構造は終焉を迎えつつあり、過剰なプレ値で中古車を掴んだ層が、売却時に数百万円の含み損を抱えるケースが表面化しています。

また、過走行とカスタムによる査定額の急落も典型的な盲点です。Gクラスの驚異的な残価率は、「低走行(年5,000km以内)」「無事故」「純正状態維持」の3要素が揃って初めて成立します。週末ごとに長距離ドライブを重ねて走行距離が伸びたり、社外製エアロパーツや派手なラッピングを施したりした個体は、中古市場での買い手が限定されるため、買取査定時に数百万円単位で減額される傾向にあります。

さらに、現行型(W463A型)であっても電子制御系の複雑化に伴う故障リスクは存在します。360度カメラのセンサー異常、インフォテインメントシステムのブラックアウト、エアサスペンションやダンパー関連の不具合などは、保証期間が切れた途端に数十万円単位の修理見積書となってオーナーに突きつけられます。「売却価格が高いから実質タダで乗れる」という甘い見通しは、想定外のランニングコストによって容易に覆されるリスクを認識しておく必要があります。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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